何かいろいろ創作物を入れていこうと思います。広告変更してみた。
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怖い、と思った。
首を絞められたあの時も。
狂人の白刃が迫ってきたあの時も。
怖い、なんて思わなかったのに。
戻るといった日に戻らなかった彼を心配して、物音には注意をしていた。
かすかな音に弾かれるように玄関先に出てみると、彼が倒れていた。
血に塗れ、息は浅い。
手当てはしてあったようだが、薄暗がりでもそれとはっきりわかるほどに顔色が悪かった。
今の自分の力では彼を家の中に運び入れることさえ大仕事だ。
それよりも誰かを呼んできた方が良い。
一瞬でそう判断をすると、彼をそのままにして村へと走った。
呼びに行ったのは、知識が豊富で信頼の置ける大人。
腕力は無いみたいだったので手伝って彼を家の中に運び入れた。
治療のためにと部屋から出され、聞こえる物音に耳を澄ませながら部屋の前でただ立ちすくんでいた。
このまま、死んでしまったら。
失われていく体温。
うつろな目。
両親の死を、自分はずっと見ていたのだ。
彼もいなくなる。
そう考えたら、指先から酷く冷えていくような気がした。
視界が暗い。
目が見えない。
今自分が踏みしめているものがわからない。
キィ、と静かな音がして目の前の扉が開く。
青年は一瞬酷く驚いた顔をして、それから視線を合わせるために少しかがんだ。
「中に、入りますか?」
青年の目を見上げ、頷く。
それを受けて青年は軽く頷くと、扉を大きく開け、通れる隙間を空けてくれた。
踏み出す足は萎えてしまっていて酷く歩きにくかったが、支えるように背中に添えられた青年の手が暖かくて、何とかベッドの脇まで進んだ。
血はぬぐわれていたが、顔色の悪さは変わらない。
否。
明かりがある分、余計に青白く見える。
土気色に近い。
縋るように青年を見上げると、青年は薄く微笑んだ。
「大丈夫ですよ。彼は丈夫ですから、意識が戻ればその分回復も早いでしょう」
安心させるように肩を叩いて、青年は部屋から出て行った。
ぽつん、と残される。
目の前に彼が居るのに、世界に自分ひとりしか居ないような、そんな頼りなさに動けなくなる。
目を離したら居なくなってしまいそうで、ずっと彼を見ていた。
途中何度か青年が治療をしにやってきたが、自分はその場を動かなかった。
ただじっと、彼の顔を見ていた。
どれだけそうしていたのか。
見付けたときのような浅い呼吸ではない、穏やかな息遣いがわずかに乱れた。
「……!」
ぎくりとして近くに行く。
しばらくじっと見ていると、かすかに眉を寄せて、彼が目を開いた。
ゆっくりと現れる、彼の目。
緑と黄色を混ぜた、けれど黄緑ではない不思議な色合いの目だ。
自分の、好きな色。
わずかに視線をさまよわせて、自分へと焦点が合う。
彼の唇が動き、けれど音が出る前に咳き込んだ。
その音にはっとして、身を翻した。
彼が起きた。
青年を呼びに行かなければ。
じっとしてばかりいたから、足が上手く言うことを利かない。
呼びに行って戻ってくると、まだ声が出ないようだったので急いで水を汲みに行く。
コップを差し出した自分に、いつもと同じ柔らかい笑顔で礼を言う彼に、落ち着かない気持ちになる。
彼の顔色はまだ悪い。
本当に、もう大丈夫なのだろうか。
「……もう、大丈夫ですよ」
うつむいた頭の先から落された言葉に、胸が苦しくなる。
目の前がゆがむ。
こみ上げてくる思いに耐え切れず、縋るように彼の胸に飛び込んだ。
怖い、と思った。
あの時も。
――あの時も。
覚えなかった感情。
失うことへの恐怖。
あんな思いは。
二度と。
首を絞められたあの時も。
狂人の白刃が迫ってきたあの時も。
怖い、なんて思わなかったのに。
戻るといった日に戻らなかった彼を心配して、物音には注意をしていた。
かすかな音に弾かれるように玄関先に出てみると、彼が倒れていた。
血に塗れ、息は浅い。
手当てはしてあったようだが、薄暗がりでもそれとはっきりわかるほどに顔色が悪かった。
今の自分の力では彼を家の中に運び入れることさえ大仕事だ。
それよりも誰かを呼んできた方が良い。
一瞬でそう判断をすると、彼をそのままにして村へと走った。
呼びに行ったのは、知識が豊富で信頼の置ける大人。
腕力は無いみたいだったので手伝って彼を家の中に運び入れた。
治療のためにと部屋から出され、聞こえる物音に耳を澄ませながら部屋の前でただ立ちすくんでいた。
このまま、死んでしまったら。
失われていく体温。
うつろな目。
両親の死を、自分はずっと見ていたのだ。
彼もいなくなる。
そう考えたら、指先から酷く冷えていくような気がした。
視界が暗い。
目が見えない。
今自分が踏みしめているものがわからない。
キィ、と静かな音がして目の前の扉が開く。
青年は一瞬酷く驚いた顔をして、それから視線を合わせるために少しかがんだ。
「中に、入りますか?」
青年の目を見上げ、頷く。
それを受けて青年は軽く頷くと、扉を大きく開け、通れる隙間を空けてくれた。
踏み出す足は萎えてしまっていて酷く歩きにくかったが、支えるように背中に添えられた青年の手が暖かくて、何とかベッドの脇まで進んだ。
血はぬぐわれていたが、顔色の悪さは変わらない。
否。
明かりがある分、余計に青白く見える。
土気色に近い。
縋るように青年を見上げると、青年は薄く微笑んだ。
「大丈夫ですよ。彼は丈夫ですから、意識が戻ればその分回復も早いでしょう」
安心させるように肩を叩いて、青年は部屋から出て行った。
ぽつん、と残される。
目の前に彼が居るのに、世界に自分ひとりしか居ないような、そんな頼りなさに動けなくなる。
目を離したら居なくなってしまいそうで、ずっと彼を見ていた。
途中何度か青年が治療をしにやってきたが、自分はその場を動かなかった。
ただじっと、彼の顔を見ていた。
どれだけそうしていたのか。
見付けたときのような浅い呼吸ではない、穏やかな息遣いがわずかに乱れた。
「……!」
ぎくりとして近くに行く。
しばらくじっと見ていると、かすかに眉を寄せて、彼が目を開いた。
ゆっくりと現れる、彼の目。
緑と黄色を混ぜた、けれど黄緑ではない不思議な色合いの目だ。
自分の、好きな色。
わずかに視線をさまよわせて、自分へと焦点が合う。
彼の唇が動き、けれど音が出る前に咳き込んだ。
その音にはっとして、身を翻した。
彼が起きた。
青年を呼びに行かなければ。
じっとしてばかりいたから、足が上手く言うことを利かない。
呼びに行って戻ってくると、まだ声が出ないようだったので急いで水を汲みに行く。
コップを差し出した自分に、いつもと同じ柔らかい笑顔で礼を言う彼に、落ち着かない気持ちになる。
彼の顔色はまだ悪い。
本当に、もう大丈夫なのだろうか。
「……もう、大丈夫ですよ」
うつむいた頭の先から落された言葉に、胸が苦しくなる。
目の前がゆがむ。
こみ上げてくる思いに耐え切れず、縋るように彼の胸に飛び込んだ。
怖い、と思った。
あの時も。
――あの時も。
覚えなかった感情。
失うことへの恐怖。
あんな思いは。
二度と。
走ってる姿を描こうと思ったらnow loadingって書きたくなったっていう…
ちなみに私は体が硬いのでこういう走り方は出来ません(断言
…なんかな(ぇ
珍しく短髪、な、女性キャラです。
ていうかまどろむって言えるほど眠そうに見えない…普段から考えたらやわらかめな表情なんですが…
まぁそもそもこのキャラにしたのが間違(ry
キャラ名:冬杣(ルーヴェル)
シャイレア島、島長補佐。島長である東旭の姉。
少し変わった表情
配布先:原生地
何も考えずに描くと(ry
最初のイメージとかけ離れるなんてよくあることw
あとこの模様どこかで見たことあるとか自分が一番思ってる…orz
服考えるの難しいよね…。