何かいろいろ創作物を入れていこうと思います。広告変更してみた。
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ごと、と荷物を床に下ろす。
重い音がするのは、中に瓶があるからだ。
市場で売っているのを見かけて、つい買ってきてしまった。
荷物を整理して、最後に瓶を手に取る。
少し考えてから、棚の奥に仕舞った。
不意に顔を上げる。
視線をドアの方に向けると、少しの後ノックの音が響いた。
「開いている」
声をかけると、それに応えるようにドアが開いた。
「……お前、そんな言い方して客だったらどうすんだよ」
顔を見せたのは、最近よく来る黒髪の少年だ。
「誰が来たかはわかっていた。問題ない。それより何か用か」
淡々と言うと、アィルは呆れたようにため息をついて中に入ってきた。
「前に言ってた薬と、薬草、香草。貯まったから持ってきた」
「……あぁ、すまないな」
差し出された袋を、礼を言って受け取る。
「構わねえよ。俺も珍しい品融通してもらってるしな!」
快活に笑う少年はこれで腕の立つ薬師だ。
「今回は何かあるか?」
「……使えそうなものはこれといってないな」
「そうか。そりゃ残念」
「あぁでも少し待てば彼が……」
言い掛けたところで何もない空間から一人の青年が顔を出した。
「……っと、間に合った?」
首を傾げて視線を向けてくるので、それに応えてアィルを示す。
「あぁ良かった。はいこれ。アィル探してたでしょう」
そう言ってばさりと花束を渡す。
赤い花の束。
独特の甘い匂いがする。
「……え、これ……。緋月草じゃないか! この時期咲かないのに!」
驚いて思わず声を上げると、青年は軽く笑った。
「ちょうどそれがある時期に移動したからね。君が探してたのを思い出したんだよ」
「良いのかこれ……ありがとう!」
「まぁ僕には使い道ないし、いつもご飯もらってるしね」
「持って帰るならこれに入れると良い。十日ほどなら保つ」
「ありがとな! 今度来た時は腕によりをかけるぜ!」
「楽しみにしてるよ」
笑顔でアィルを見送っていた青年に、呆れの混ざった声で問いかける。
「……どこから持ってきたんだ」
「大丈夫。ちゃんとしたとこだよ」
笑顔で振り向く青年を見て、ため息をつく。
「あまり危険なことはするなよ」
青年は少し困ったように微笑んだ。
重い音がするのは、中に瓶があるからだ。
市場で売っているのを見かけて、つい買ってきてしまった。
荷物を整理して、最後に瓶を手に取る。
少し考えてから、棚の奥に仕舞った。
不意に顔を上げる。
視線をドアの方に向けると、少しの後ノックの音が響いた。
「開いている」
声をかけると、それに応えるようにドアが開いた。
「……お前、そんな言い方して客だったらどうすんだよ」
顔を見せたのは、最近よく来る黒髪の少年だ。
「誰が来たかはわかっていた。問題ない。それより何か用か」
淡々と言うと、アィルは呆れたようにため息をついて中に入ってきた。
「前に言ってた薬と、薬草、香草。貯まったから持ってきた」
「……あぁ、すまないな」
差し出された袋を、礼を言って受け取る。
「構わねえよ。俺も珍しい品融通してもらってるしな!」
快活に笑う少年はこれで腕の立つ薬師だ。
「今回は何かあるか?」
「……使えそうなものはこれといってないな」
「そうか。そりゃ残念」
「あぁでも少し待てば彼が……」
言い掛けたところで何もない空間から一人の青年が顔を出した。
「……っと、間に合った?」
首を傾げて視線を向けてくるので、それに応えてアィルを示す。
「あぁ良かった。はいこれ。アィル探してたでしょう」
そう言ってばさりと花束を渡す。
赤い花の束。
独特の甘い匂いがする。
「……え、これ……。緋月草じゃないか! この時期咲かないのに!」
驚いて思わず声を上げると、青年は軽く笑った。
「ちょうどそれがある時期に移動したからね。君が探してたのを思い出したんだよ」
「良いのかこれ……ありがとう!」
「まぁ僕には使い道ないし、いつもご飯もらってるしね」
「持って帰るならこれに入れると良い。十日ほどなら保つ」
「ありがとな! 今度来た時は腕によりをかけるぜ!」
「楽しみにしてるよ」
笑顔でアィルを見送っていた青年に、呆れの混ざった声で問いかける。
「……どこから持ってきたんだ」
「大丈夫。ちゃんとしたとこだよ」
笑顔で振り向く青年を見て、ため息をつく。
「あまり危険なことはするなよ」
青年は少し困ったように微笑んだ。
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