何かいろいろ創作物を入れていこうと思います。広告変更してみた。
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ふかふかとした毛並みをブラシで梳く。
柔らかな茶色のそれは、ブラシをかけるたびにつやつやと光る。
ふわりとした匂いは、深い森の清冽な空気に似ている。
一心不乱にブラシをかけていると、不意に毛並みの下が波打った。
「……なぁ、それいつまでやるんだ?」
「……うーん」
毛並みの持ち主からの抗議に生返事で応え、更にブラシを動かす。
「おい、いつまでやってる。そろそろ行くぞ」
草むらから現れた人影が、呆れたように彼らに声をかける。
「もうちょっと」
「そう言ってからずいぶんたつんだけど。ルベアも何か言ってやって」
「あんまりやるとハゲるぞ」
ぼそりとルベアが呟くと、獣がぴくりと身をすくませた。
ブラシをかける手が止まる。
名残惜しそうに手で梳き、ブラシをしまった。
「気は済んだか?」
「済んでないけどハゲたら困る」
「それは俺のせりふだよ」
困ったように尻尾を振って、オルカーンが立ち上がる。
しなやかな動き。
延々とブラシをかけられていた所為で毛並みは酷く綺麗だ。
「行こう。早くしないと日が暮れる」
「はーい」
おとなしく返事をして、彼も立ち上がる。
名残惜しそうに毛並みを見ながら、後を追った。
柔らかな茶色のそれは、ブラシをかけるたびにつやつやと光る。
ふわりとした匂いは、深い森の清冽な空気に似ている。
一心不乱にブラシをかけていると、不意に毛並みの下が波打った。
「……なぁ、それいつまでやるんだ?」
「……うーん」
毛並みの持ち主からの抗議に生返事で応え、更にブラシを動かす。
「おい、いつまでやってる。そろそろ行くぞ」
草むらから現れた人影が、呆れたように彼らに声をかける。
「もうちょっと」
「そう言ってからずいぶんたつんだけど。ルベアも何か言ってやって」
「あんまりやるとハゲるぞ」
ぼそりとルベアが呟くと、獣がぴくりと身をすくませた。
ブラシをかける手が止まる。
名残惜しそうに手で梳き、ブラシをしまった。
「気は済んだか?」
「済んでないけどハゲたら困る」
「それは俺のせりふだよ」
困ったように尻尾を振って、オルカーンが立ち上がる。
しなやかな動き。
延々とブラシをかけられていた所為で毛並みは酷く綺麗だ。
「行こう。早くしないと日が暮れる」
「はーい」
おとなしく返事をして、彼も立ち上がる。
名残惜しそうに毛並みを見ながら、後を追った。
ちょっとまじめに描いてみた。
ということで(?)エンレイ(右)と、セリファレイド(左)です。
エンレイの色は決めてなかったけどこれも良いかも。
11月に描いた本からちょっと描いてみたかったネタ。
アィルはエンレイとセリファレイドの子供、レヴィアールはエンレイの友人です。
…どうしようもない設定ばっかり出来るなぁ…
「ここもか……」
疲れ切ったような声で、ぽつりと呟く。
目の前には、町があった。
正確には、町であったもの、だ。
家並みは殆ど瓦礫と化し、生の息吹はまったく感じられない。
瓦礫からはみ出した手は自身の血で赤黒く染まり、そこに覆いかぶさるように子供が事切れている。
傷は、刀傷だ。
一刀の元に切り捨てられた者もいれば、何度も突き刺したような者もいる。
凄惨なこの風景がどこか遠いのは、血の臭いが風に吹かれて薄いからに他ならない。
顔をしかめながら、町を見て回る。
死体の皮膚には腐敗網が広がっていた。
「3日、ってところかな」
ぽつりと呟いて、視線を廻らせる。
生き物は、いない。
次の町へ行くべく、町の外へ向かう。
見ていない町は、後ひとつ。
他の町は死後の日数に違いはあれど、すべて同じ状態だった。
終わるはずではなかった世界が終わる。
そのことに、あの人は心を痛めたりはしないのだろうけれど。
それでも、この惨劇を作り出した人物を思って、彼は深く俯いた。
疲れ切ったような声で、ぽつりと呟く。
目の前には、町があった。
正確には、町であったもの、だ。
家並みは殆ど瓦礫と化し、生の息吹はまったく感じられない。
瓦礫からはみ出した手は自身の血で赤黒く染まり、そこに覆いかぶさるように子供が事切れている。
傷は、刀傷だ。
一刀の元に切り捨てられた者もいれば、何度も突き刺したような者もいる。
凄惨なこの風景がどこか遠いのは、血の臭いが風に吹かれて薄いからに他ならない。
顔をしかめながら、町を見て回る。
死体の皮膚には腐敗網が広がっていた。
「3日、ってところかな」
ぽつりと呟いて、視線を廻らせる。
生き物は、いない。
次の町へ行くべく、町の外へ向かう。
見ていない町は、後ひとつ。
他の町は死後の日数に違いはあれど、すべて同じ状態だった。
終わるはずではなかった世界が終わる。
そのことに、あの人は心を痛めたりはしないのだろうけれど。
それでも、この惨劇を作り出した人物を思って、彼は深く俯いた。
こんなはずじゃなかった。
望んだものは、決してこんなものではないはずだった。
両手に伝わるのは肉を断つ感触。
すでに剣は切れ味を落とし、それを振るう体力も尽きてきていた。
血臭は怨嗟と共に体にまとわりつく。
足元に転がった敵兵は、あどけない子供の顔をさらしていた。
「ルース!」
自分を呼ぶ声に、はっとする。
間近に迫っていた刃を反射的に叩き落し、返す刀でその持ち主を切り捨てた。
「ぼんやりするな。まだいるぞ!」
近くに来た人影に、ひとつ頷く。
部隊をまとめる隊長である彼は、ルースが問題ないのを確認すると、また敵へと向かった。
血糊で柄を持つ手が滑る。
きつく握りなおして、反射的に敵を倒していく。
こんなはずじゃなかった。
これは、人々を守る為の、力だったはずなのに。
望んだものは、決してこんなものではないはずだった。
両手に伝わるのは肉を断つ感触。
すでに剣は切れ味を落とし、それを振るう体力も尽きてきていた。
血臭は怨嗟と共に体にまとわりつく。
足元に転がった敵兵は、あどけない子供の顔をさらしていた。
「ルース!」
自分を呼ぶ声に、はっとする。
間近に迫っていた刃を反射的に叩き落し、返す刀でその持ち主を切り捨てた。
「ぼんやりするな。まだいるぞ!」
近くに来た人影に、ひとつ頷く。
部隊をまとめる隊長である彼は、ルースが問題ないのを確認すると、また敵へと向かった。
血糊で柄を持つ手が滑る。
きつく握りなおして、反射的に敵を倒していく。
こんなはずじゃなかった。
これは、人々を守る為の、力だったはずなのに。