何かいろいろ創作物を入れていこうと思います。広告変更してみた。
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あけましておめでとうございます。
生きてます。
微妙に創作から遠ざかってるので何とか戻りたいところ…
ゆっくりと歩を進める。
右手に炎を喚び出せば、辺りは真昼のように明るくなった。
「君達に君達のルールがあるように、僕には僕のルールがある。残念だけど、容赦はしないよ」
歯を食いしばり、武器を構える彼らに告げる。
返答をする余裕もないのか、荒い息を吐くばかりだ。
此処に辿り着くまでに随分消耗したのだろう、彼らの体のあちこちに傷が目立つ。
「ご苦労なことだね。この先にあるものは君が触れて良いものじゃない」
右手を緩やかに動かす。その動きに合わせて、炎はまるで生き物のように蠢いた。
彼らの背後、扉のある壁から、退路を断つように炎が吹き出る。
それは瞬く間に彼らを追い越し、蠢く炎と合わさって彼らを包み込んだ。
「……くそっ」
絶望に染まった顔を歪めた彼から、悪態が漏れた。
それを見て、にこりと微笑む。
「さよなら。此処にさえ来なければ、君達も少しは長く生きられただろうに」
言葉が終わるより早く、炎は彼らを飲み込んだ。
少し後、炎が消えた部屋には誰の姿もなかった。
右手に炎を喚び出せば、辺りは真昼のように明るくなった。
「君達に君達のルールがあるように、僕には僕のルールがある。残念だけど、容赦はしないよ」
歯を食いしばり、武器を構える彼らに告げる。
返答をする余裕もないのか、荒い息を吐くばかりだ。
此処に辿り着くまでに随分消耗したのだろう、彼らの体のあちこちに傷が目立つ。
「ご苦労なことだね。この先にあるものは君が触れて良いものじゃない」
右手を緩やかに動かす。その動きに合わせて、炎はまるで生き物のように蠢いた。
彼らの背後、扉のある壁から、退路を断つように炎が吹き出る。
それは瞬く間に彼らを追い越し、蠢く炎と合わさって彼らを包み込んだ。
「……くそっ」
絶望に染まった顔を歪めた彼から、悪態が漏れた。
それを見て、にこりと微笑む。
「さよなら。此処にさえ来なければ、君達も少しは長く生きられただろうに」
言葉が終わるより早く、炎は彼らを飲み込んだ。
少し後、炎が消えた部屋には誰の姿もなかった。
「風邪ひきますよ」
わずかな灯りと共に聞こえた声に、ちらりと視線を向ける。
紫が、肩掛けを手に近づいてきたところだった。
どうぞ、と手渡され、礼を言って肩に羽織った。
じわりとした暖かさに、体が冷えていたことに気づく。
「……お前も飲むか?」
傍らの机に置いてある酒の瓶を勧めれば、彼は「頂きます」と言って空いている椅子に腰掛けた。
グラスが触れる微かな音。
それを聞きながら、視線を前に戻す。
視線の先には、暗く黒く森が広がっていて、お世辞にも視界が良いとは言えなかった。
木々の輪郭すら曖昧なほどの、暗闇。
「泣かないんですか」
暫く続いた静寂の中、紫が囁くように言った。
「泣かねぇよ」
忌々しそうに答え、ため息を吐く。
「……覚悟はしてたからな。泣いたって、仕方ない。もう終わったことだ」
淡々と呟く声は、まるで自分に言い聞かせているようだった。
その事に気がつき、顔をしかめる。
紫はそれ以上何も言わず、また沈黙が降りた。
ふと、口を開く。
「何か用事があったんじゃねぇのか?」
「いえ? 寒そうなライを見つけたものですから」
片眉を上げて紫を見ると、彼は何が楽しいのかにこにことこちらを見ていた。
「あー……悪かったな」
がしがしと頭を掻きながら言うと、紫は首を傾げた。
「何がです?」
「……何でもねぇ」
ぼそりと吐き捨て、杯の中身を呷る。
冷えた酒精が喉を灼く。
いつもと同じ酒が、酷く味気ない気がした。
「月が、綺麗ですね」
言われて顔を上げれば、空はひとつの明かりすらない曇天のままで。
「月なんて出てねぇよ」
怪訝そうに言えば、紫の笑い声が返ってきた。
久しぶりに描いた気がする流禧。
…何でこういう面倒な髪色にしたんだろうと小一時間。
そも色塗りをしたのが久しぶりな気がして((((;゚Д゚))))
こと、とペンを机に置く。
難しい顔をして書類を睨みつけていると、唐突にドアが開いた。
「どうした、エディウス」
入ってきた彼はこちらの顔を見て、きょとんと首を傾げた。
「……リゼ、部屋に入ってくる時はノックしてって言ってるよね?」
「あーすまん忘れてた。……んで? そんな顔して何かあったか?」
悪びれもせず謝る彼にため息を付いて、席を立つ。
「ちょっと、西の塔に行くから付き合ってくれる?」
「俺今そこから来たばっかりよ?」
「……西の塔の管理人は君でしょ。君が居なくてどうするの」
呆れたように言うと、軽い返事をしてエディウスが通れるように大きく扉を開いた。
「ところで何の用だったの?」
「んー大したことじゃねぇよ。今朝出し忘れた書類持ってきただけだし」
「……期限は」
「明後日」
さらっと言われ、顔をしかめる。
急ぎではないが書類がまた増えるのか、とエディウスは溜息をついた。
「……お前は真面目だよなぁ」
「そういう問題じゃないと思うけど……。母様は書類仕事にこんなに時間かけてなかったからね。もうちょっと頑張らないと」
視線を前に向けたままのエディウスの横で、リゼが微妙な表情をする。
「……あー、そんで、今日西の塔に行くのは何でだ?」
「うん。昨日と今日の書類で仕入れの数が違ってるのと、あとここの記入漏れがあってね」
「ふーん」
リゼは西の塔の執務室に着くと、ちょっと待ってろと言いおいて部屋から退室した。
「……話を聞いてすぐに戻る予定だったんだけどなぁ」
仕方ないなぁ、と椅子に座って書類を見返す。
しばらく経って、扉が唐突に開かれた。
「ノックは」
「手が塞がってて」
にやりと笑って、両手に持ったトレイを机の上に置く。
暖かな湯気を立てるカップと、香ばしい匂いの焼き菓子だ。
「ついでにその書類の正しい数聞いてきたから、お茶に付き合えよ」
「……今教えてくれればすぐ訂正できるんだけど?」
「そこまで急ぎじゃねぇだろ。付き合ってくれたらちゃんと直しとくから」
言いながら、手際よく机の上を片付けていく。
お茶に付き合うまで教える気はないという態度に、エディウスはため息を付いた。
「……仕方ないなぁ」
「たまには良いだろ?」
「たまにならね」