何かいろいろ創作物を入れていこうと思います。広告変更してみた。
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またいつか、ゆっくりお茶でもしよう。
そんな約束なんてしなければ良かったんだろうか。
仲間の一人が欠け、それでもその約束のために訪れた地は、すでに廃墟となって久しかった。
約束を果たす相手はもう居ない。
お茶を淹れようにも、片腕が動かない身では満足に淹れられるわけもなく。
呆然としたまま町があった場所を彷徨い歩き、日が暮れてから廃墟のひとつに腰を下ろした。
風が吹くかすかな音以外聞こえるものはない。
どれだけそうしていただろう。
遠くから、土を踏む軽い音が近づいてきた。
「もう行こう。いつまでも此処にいたら危ない」
心配そうな声には答えず、視線を彼方に移す。
目に映るのは、黒く切り取られた瓦礫だけ。
「……大丈夫?」
躊躇いがちに寄り添ってきた体に手を伸ばすと、ふかふかした手触りとともに温かい体温が伝わってきた。
そのまま、首の後に顔を埋める。
震える息を吐く。
「……もうしばらく、このままで……」
薄茶色の毛皮は、土と太陽の匂いがした。
そんな約束なんてしなければ良かったんだろうか。
仲間の一人が欠け、それでもその約束のために訪れた地は、すでに廃墟となって久しかった。
約束を果たす相手はもう居ない。
お茶を淹れようにも、片腕が動かない身では満足に淹れられるわけもなく。
呆然としたまま町があった場所を彷徨い歩き、日が暮れてから廃墟のひとつに腰を下ろした。
風が吹くかすかな音以外聞こえるものはない。
どれだけそうしていただろう。
遠くから、土を踏む軽い音が近づいてきた。
「もう行こう。いつまでも此処にいたら危ない」
心配そうな声には答えず、視線を彼方に移す。
目に映るのは、黒く切り取られた瓦礫だけ。
「……大丈夫?」
躊躇いがちに寄り添ってきた体に手を伸ばすと、ふかふかした手触りとともに温かい体温が伝わってきた。
そのまま、首の後に顔を埋める。
震える息を吐く。
「……もうしばらく、このままで……」
薄茶色の毛皮は、土と太陽の匂いがした。
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