忍者ブログ
何かいろいろ創作物を入れていこうと思います。広告変更してみた。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


 藪を掻き分けて、山道を駆ける。
 かなりの速さで走っているのに、藪はあまり大きな音を立てない。
 密やかに、けれど全力で走るその表情は淡々としていて、息はほとんど切れていない。
 ちらり、と後ろを振り返る。
 大きく、小さく、追いかけてくる松明の火が見えた。
 視線を前に戻す。
 後ろになびく髪は通り過ぎる枝に引っかかることも無く、夜目にも白く見えた。
 自分の位置を頭の中で確かめながら、鬱蒼とした藪を通り抜けた。
「!」
 ぎくりとして足を止めた。
 そこには小さな人影があった。
 闇にまぎれそうな黒髪と、猫の目のように光る双眸を驚いたように見開いている。
 見つかった。
 けれど、目の前の子供一人なら振り切れそうだ、と思った。
 遠くから聞こえてきた足音に、目の前の子供がびくりと肩を震わせる。
 松明の炎は村人が近づいている証拠だ。
 子供は目の前にいる自分よりも、松明の方を怖がっている様子だった。

 草を踏む音が、これほど緊張を強いられるものに感じられるのは初めてだった。
 足音で探るなら、二足歩行のもの。
 けれど気配の大きさから、それが魔人以外の何者でもないとはっきり感じられた。
 魔人に敵う人間はいない。
 できるのは、気づかれないように隠れ、興味の対象を他に移して立ち去るのを待つだけだ。
 気配はしばらく留まっていたかと思うと、遠ざかるように薄れて消えた。
 はぁ、と細く安堵の息を漏らす。
 その途端。

「見ィつけた」

 声が降ってきた。
 ぎくりとして振り仰ぐと、木の幹に垂直にしゃがみこんだ人影がこちらを見下ろしていた。
 物理的にありえないその現象に凍りつく。
 笑顔で見下ろすその顔はひどく美しい。
 すっと通った鼻梁に蠱惑的にあがった口元。
 形の良い眉の下には、はっきりとした目が、鮮やかな光を放ってエクエスを凝視していた。
 緩く編まれた髪は無造作なのに形よく整い、絹のように光沢を放っていた。
 けれどそれは地面に向かって垂れず、彼がしゃがむ木の幹に向かって垂れている。
 物理法則を無視した、美しい人外。
 総じて、魔人と呼ばれるモノ。
 今までこれほど近くで見たことはなかった。
 体が動かない。
 呼吸すら難しい。
 それはくるりと身軽に地面に降り立ち、振り返る姿さえ優美に見えた。

 

線を修正せずにやってみようという試み。
大して違いがないっていうのが悲しいところ。

女の子がちゃんと描けなくてねぇ…いや今回はどっちも意識せず描いたんですが。
女の子描こうとすると顔が男前になるっていう…すいません。

 
人間青年Ver.
和服に白衣…袖が邪魔で着れないと思います。

何か…書き直したけど…微妙…orz

 

そういや黒目ってあんまりいないなぁと思って描いてみた。
あと諸々、一寸した試し描き…。
うーん難しいなぁ。

つか黒髪続きすぎたw

[18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28
«  Back :   HOME   : Next  »
カレンダー
12 2025/01 02
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
プロフィール
HN:
沖縞 御津 または 逆凪。
趣味:
絵描き文書き睡眠。
自己紹介:
のんびり人生万歳。
1日20時間ほど寝れるんじゃないかと最近本気で思う。
でもこの頃睡眠時間が1~6時間と不規則気味。ていうか足りない。
最新記事
創作絵  (01/05)
創作文_異界  (05/04)
創作文  (04/20)
創作絵  (05/24)
創作文_神界  (02/23)
広告
PR

Copyright(C)2009-2012 Mitsu Okishima.All right reserved.
忍者ブログ [PR]