何かいろいろ創作物を入れていこうと思います。広告変更してみた。
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「なーァ、何処行くんだよォ」
「てめぇに関係あるか馬鹿鴉」
自分の少し後ろを付いてくる人物に悪態をつく。
「酷いなァ。良いじゃないか教えてくれたって」
後ろを付いてきながら、けれど応えた様子はない。
はぁ、とため息をつくと、振り返って視線を合わせた。
「氷雨。ついてくるなら命の保障はしねぇぞ」
「えェ? 何だそれ」
きょとん、と氷雨が見返す。
「今向かってんのは俺らの集会所だ。てめぇは餌にしかならねぇとこだよ」
諭すように言うと、氷雨は眉尻を下げて頷いた。
「そっかァ。それじゃ仕方ないなァ」
「わかったらさっさと行け」
「うん。じゃァまた」
言い終えると、ばさりと羽音を響かせて氷雨はその場からいなくなった。
氷雨が飛び去った後に残された黒い羽を見て、彼はもう一度、ため息をついた。
「てめぇに関係あるか馬鹿鴉」
自分の少し後ろを付いてくる人物に悪態をつく。
「酷いなァ。良いじゃないか教えてくれたって」
後ろを付いてきながら、けれど応えた様子はない。
はぁ、とため息をつくと、振り返って視線を合わせた。
「氷雨。ついてくるなら命の保障はしねぇぞ」
「えェ? 何だそれ」
きょとん、と氷雨が見返す。
「今向かってんのは俺らの集会所だ。てめぇは餌にしかならねぇとこだよ」
諭すように言うと、氷雨は眉尻を下げて頷いた。
「そっかァ。それじゃ仕方ないなァ」
「わかったらさっさと行け」
「うん。じゃァまた」
言い終えると、ばさりと羽音を響かせて氷雨はその場からいなくなった。
氷雨が飛び去った後に残された黒い羽を見て、彼はもう一度、ため息をついた。
…うーん。
特に何も考えないとやっぱりこんな感じ。
つか眠い。
土を踏むかすかな音に顔をあげる。
この洞窟に近づく者は滅多にいない。
その、珍しい音。
迷い込んだにしては足音は一定だ。
そしてかすかに鼻に付く臭い。
音も立てずに立ち上がると、足音の方へと進む。
足音が近づいたところで、小さな石をひとつ、放り投げた。
からん、と乾いた音が洞内に木霊する。
足音はぴたりと止まり、次いで声が聞こえた。
「白雨」
自身に呼びかけるその声に、肩の力を抜いて姿を現す。
わずかに気配が動き、足音がはっきりとこちらへ向かってきた。
「足音を立てるなんて珍しいね。氷雨」
すぐ近くで、足音が止まる。
ツンと鼻に付く臭いが、彼から漂ってきているのは確実だ。
錆を含んだ、鉄の臭い。
けれど、怪我をしている様子はない。
彼は一言も発さず、頬に手を伸ばして触れた。
輪郭を確かめるようなその動きに、怪訝そうに眉を寄せる。
触れていた手が目蓋に達したとき、自らの意思に反して肩がぴくりと震えた。
氷雨が今触れている目蓋の下に、眼球はない。
「白雨」
再度の呼びかけに、吐息で応える。
「お前の、目ェ盗ったって吹聴してた輩がいたから、同じ目にあわせて来たんだ……」
触れている手が、かすかに震えている。
氷雨にこの暗がりは見通せない。
それを承知で、白雨は微笑んだ。
「……馬鹿だな。お前が、傷を負うことはないのに」
「傷じゃァ、ねェよ」
目蓋に触れていた手を頬に移し、氷雨が呟く。
自分にはもう光が見えない。
けれど。
微笑んだまま、白雨は頬の手に自分の手を添えた。
この洞窟に近づく者は滅多にいない。
その、珍しい音。
迷い込んだにしては足音は一定だ。
そしてかすかに鼻に付く臭い。
音も立てずに立ち上がると、足音の方へと進む。
足音が近づいたところで、小さな石をひとつ、放り投げた。
からん、と乾いた音が洞内に木霊する。
足音はぴたりと止まり、次いで声が聞こえた。
「白雨」
自身に呼びかけるその声に、肩の力を抜いて姿を現す。
わずかに気配が動き、足音がはっきりとこちらへ向かってきた。
「足音を立てるなんて珍しいね。氷雨」
すぐ近くで、足音が止まる。
ツンと鼻に付く臭いが、彼から漂ってきているのは確実だ。
錆を含んだ、鉄の臭い。
けれど、怪我をしている様子はない。
彼は一言も発さず、頬に手を伸ばして触れた。
輪郭を確かめるようなその動きに、怪訝そうに眉を寄せる。
触れていた手が目蓋に達したとき、自らの意思に反して肩がぴくりと震えた。
氷雨が今触れている目蓋の下に、眼球はない。
「白雨」
再度の呼びかけに、吐息で応える。
「お前の、目ェ盗ったって吹聴してた輩がいたから、同じ目にあわせて来たんだ……」
触れている手が、かすかに震えている。
氷雨にこの暗がりは見通せない。
それを承知で、白雨は微笑んだ。
「……馬鹿だな。お前が、傷を負うことはないのに」
「傷じゃァ、ねェよ」
目蓋に触れていた手を頬に移し、氷雨が呟く。
自分にはもう光が見えない。
けれど。
微笑んだまま、白雨は頬の手に自分の手を添えた。
新しいタブレット買ったんで試しに。
…左側についてるボタン(?)、正直いらないんだよな…。
イラストはカトリです。
…一月でVtまでって無理だから!
何でそう無理難題いうかな。
「暇なんだよ」
「帰れ」
開口一番そう言った彼に、容赦なく言い放つ。
客の来る予定もなかったので、店の中を整理していた時だった。
鍵をかけていたはずの扉を開けて入ってきた彼は、カウンターまでまっすぐに歩いてくるとそのままそこに腰を下ろした。
手元が暗いと棚に置いてある品物の状態が見にくいので、珍しく店内は明るい。
おかげで沈んだ様子の彼の表情も見て取れた。
だからと言って戯言に付き合う気はない。
彼は酷く恨みがましい表情で視線を向けてきた。
「酷い。久しぶりに会ったのに」
「久しぶりに会ったところで私は暇ではない」
「……暇だから整理してるんじゃないの?」
「暇つぶしでやってるわけではない」
「えー」
疑わしそうにため息をついて、手近にあった品物を手に取る。
丸い、卵形の何か。
「……何これ」
「不用意に触るな。壊れたらどうする」
ルシェイドは少し悲しそうに眉をひそめて、元の位置に戻す。
「昔はあんなにかわいかったのに、何でそんな無愛想になっちゃったんだろう」
はぁ、と大げさなため息に、こちらもため息をつきたくなる。
「……やることはいろいろあるんじゃないのかお前」
「うーん……。あるにはあるけど、放っておいても平気なものばかりだし、他の人は忙しそうだし」
こちらは暇ではないと言ったばかりなのに、聞き入れてもらえなかったのだろうか。
カウンターはそれほど高くはないが、ルシェイドの今の身長では少し高い。
届かない地面に視線を落し、足を揺らしている。
軽くため息をついて、別の棚に向かう。
視界に入り難い位置にある箱から、瓶をひとつ取り出す。
瓶に入っているのは、割と質のいい酒だ。
ディリクがそれをカウンターに置くと、ルシェイドはどこからともなくグラスを二つ取り出した。
「……あるのを知ってたな」
「偶然だよ」
にやり、と彼が笑う。
ため息をついて、瓶の栓を開けた。
「帰れ」
開口一番そう言った彼に、容赦なく言い放つ。
客の来る予定もなかったので、店の中を整理していた時だった。
鍵をかけていたはずの扉を開けて入ってきた彼は、カウンターまでまっすぐに歩いてくるとそのままそこに腰を下ろした。
手元が暗いと棚に置いてある品物の状態が見にくいので、珍しく店内は明るい。
おかげで沈んだ様子の彼の表情も見て取れた。
だからと言って戯言に付き合う気はない。
彼は酷く恨みがましい表情で視線を向けてきた。
「酷い。久しぶりに会ったのに」
「久しぶりに会ったところで私は暇ではない」
「……暇だから整理してるんじゃないの?」
「暇つぶしでやってるわけではない」
「えー」
疑わしそうにため息をついて、手近にあった品物を手に取る。
丸い、卵形の何か。
「……何これ」
「不用意に触るな。壊れたらどうする」
ルシェイドは少し悲しそうに眉をひそめて、元の位置に戻す。
「昔はあんなにかわいかったのに、何でそんな無愛想になっちゃったんだろう」
はぁ、と大げさなため息に、こちらもため息をつきたくなる。
「……やることはいろいろあるんじゃないのかお前」
「うーん……。あるにはあるけど、放っておいても平気なものばかりだし、他の人は忙しそうだし」
こちらは暇ではないと言ったばかりなのに、聞き入れてもらえなかったのだろうか。
カウンターはそれほど高くはないが、ルシェイドの今の身長では少し高い。
届かない地面に視線を落し、足を揺らしている。
軽くため息をついて、別の棚に向かう。
視界に入り難い位置にある箱から、瓶をひとつ取り出す。
瓶に入っているのは、割と質のいい酒だ。
ディリクがそれをカウンターに置くと、ルシェイドはどこからともなくグラスを二つ取り出した。
「……あるのを知ってたな」
「偶然だよ」
にやり、と彼が笑う。
ため息をついて、瓶の栓を開けた。