何かいろいろ創作物を入れていこうと思います。広告変更してみた。
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「暇なんだよ」
「帰れ」
開口一番そう言った彼に、容赦なく言い放つ。
客の来る予定もなかったので、店の中を整理していた時だった。
鍵をかけていたはずの扉を開けて入ってきた彼は、カウンターまでまっすぐに歩いてくるとそのままそこに腰を下ろした。
手元が暗いと棚に置いてある品物の状態が見にくいので、珍しく店内は明るい。
おかげで沈んだ様子の彼の表情も見て取れた。
だからと言って戯言に付き合う気はない。
彼は酷く恨みがましい表情で視線を向けてきた。
「酷い。久しぶりに会ったのに」
「久しぶりに会ったところで私は暇ではない」
「……暇だから整理してるんじゃないの?」
「暇つぶしでやってるわけではない」
「えー」
疑わしそうにため息をついて、手近にあった品物を手に取る。
丸い、卵形の何か。
「……何これ」
「不用意に触るな。壊れたらどうする」
ルシェイドは少し悲しそうに眉をひそめて、元の位置に戻す。
「昔はあんなにかわいかったのに、何でそんな無愛想になっちゃったんだろう」
はぁ、と大げさなため息に、こちらもため息をつきたくなる。
「……やることはいろいろあるんじゃないのかお前」
「うーん……。あるにはあるけど、放っておいても平気なものばかりだし、他の人は忙しそうだし」
こちらは暇ではないと言ったばかりなのに、聞き入れてもらえなかったのだろうか。
カウンターはそれほど高くはないが、ルシェイドの今の身長では少し高い。
届かない地面に視線を落し、足を揺らしている。
軽くため息をついて、別の棚に向かう。
視界に入り難い位置にある箱から、瓶をひとつ取り出す。
瓶に入っているのは、割と質のいい酒だ。
ディリクがそれをカウンターに置くと、ルシェイドはどこからともなくグラスを二つ取り出した。
「……あるのを知ってたな」
「偶然だよ」
にやり、と彼が笑う。
ため息をついて、瓶の栓を開けた。
「帰れ」
開口一番そう言った彼に、容赦なく言い放つ。
客の来る予定もなかったので、店の中を整理していた時だった。
鍵をかけていたはずの扉を開けて入ってきた彼は、カウンターまでまっすぐに歩いてくるとそのままそこに腰を下ろした。
手元が暗いと棚に置いてある品物の状態が見にくいので、珍しく店内は明るい。
おかげで沈んだ様子の彼の表情も見て取れた。
だからと言って戯言に付き合う気はない。
彼は酷く恨みがましい表情で視線を向けてきた。
「酷い。久しぶりに会ったのに」
「久しぶりに会ったところで私は暇ではない」
「……暇だから整理してるんじゃないの?」
「暇つぶしでやってるわけではない」
「えー」
疑わしそうにため息をついて、手近にあった品物を手に取る。
丸い、卵形の何か。
「……何これ」
「不用意に触るな。壊れたらどうする」
ルシェイドは少し悲しそうに眉をひそめて、元の位置に戻す。
「昔はあんなにかわいかったのに、何でそんな無愛想になっちゃったんだろう」
はぁ、と大げさなため息に、こちらもため息をつきたくなる。
「……やることはいろいろあるんじゃないのかお前」
「うーん……。あるにはあるけど、放っておいても平気なものばかりだし、他の人は忙しそうだし」
こちらは暇ではないと言ったばかりなのに、聞き入れてもらえなかったのだろうか。
カウンターはそれほど高くはないが、ルシェイドの今の身長では少し高い。
届かない地面に視線を落し、足を揺らしている。
軽くため息をついて、別の棚に向かう。
視界に入り難い位置にある箱から、瓶をひとつ取り出す。
瓶に入っているのは、割と質のいい酒だ。
ディリクがそれをカウンターに置くと、ルシェイドはどこからともなくグラスを二つ取り出した。
「……あるのを知ってたな」
「偶然だよ」
にやり、と彼が笑う。
ため息をついて、瓶の栓を開けた。
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