何かいろいろ創作物を入れていこうと思います。広告変更してみた。
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その時目に入ったのは、赤黒い人影。
白かったはずの刀身は血脂で鈍く光り、振るわれるごとに悲鳴が舞った。
凍りついたように、ただその人影を見ていた。
血に染まる服を。
愉悦に浸るその表情を。
立ち向かう人も逃げ惑う人もみんな動かなくなった頃、その人影は楽しそうに笑いながら走り去った。
何もかも動かなくなって、彼はひっそりとその場から動いた。
月光に照らされてなおはっきりと見える赤色に混じる他の色彩は、誰かの一部だ。
知った顔。
友人だったモノ。
形相があまりにも歪んでいたり、潰されていたりで分からないものもあった。
涙は、出なかった。
がくりと膝が崩れ落ちた。
石畳だったはずのそこは、水溜りのような音を返した。
「は……はは……」
これは、夢だ。
たった一夜で、たった一人で、こんなことができるはずがない。
だから、これは、夢だ。
目が覚めたらいつもと変わらない朝で。
いつもと同じように一日が始まるんだ。
だから、早く、夢から覚めなくちゃ。
通りかかった旅人からの通報でその場に駆けつけた東大陸駐在部隊が発見したのは、腐敗し始めた死体の山と、その傍らの赤黒く乾いた石畳に座り込み、自失した少年だった。
白かったはずの刀身は血脂で鈍く光り、振るわれるごとに悲鳴が舞った。
凍りついたように、ただその人影を見ていた。
血に染まる服を。
愉悦に浸るその表情を。
立ち向かう人も逃げ惑う人もみんな動かなくなった頃、その人影は楽しそうに笑いながら走り去った。
何もかも動かなくなって、彼はひっそりとその場から動いた。
月光に照らされてなおはっきりと見える赤色に混じる他の色彩は、誰かの一部だ。
知った顔。
友人だったモノ。
形相があまりにも歪んでいたり、潰されていたりで分からないものもあった。
涙は、出なかった。
がくりと膝が崩れ落ちた。
石畳だったはずのそこは、水溜りのような音を返した。
「は……はは……」
これは、夢だ。
たった一夜で、たった一人で、こんなことができるはずがない。
だから、これは、夢だ。
目が覚めたらいつもと変わらない朝で。
いつもと同じように一日が始まるんだ。
だから、早く、夢から覚めなくちゃ。
通りかかった旅人からの通報でその場に駆けつけた東大陸駐在部隊が発見したのは、腐敗し始めた死体の山と、その傍らの赤黒く乾いた石畳に座り込み、自失した少年だった。
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