何かいろいろ創作物を入れていこうと思います。広告変更してみた。
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ずるり、と密度の濃い闇から這い出す。
闇から這い出しても、周りは暗く、足元さえ見えない。
けれど、そんな事は彼には関係がなかった。
光を感じるはずの眼球は元より無い。
随分昔に負傷してから、眼球はなくしてしまったからだ。
踏み出した足が硬い岩の感触を伝える。
彼に明かりは必要なかったが、ある程度の広さを持つこの洞窟の隅には、暗闇で光る鉱石が点在していた。
危なげなく歩を進めると、いつも座っている岩棚に腰を下ろす。
居心地の良い状態にくり抜かれたその場所は、他より一段高く、けれど座れば前に立つ者と同じ目線になった。
何の物音もしない静寂が満ちた洞窟内で、微睡むように身体を横に倒す。
どのくらいそうしていたのか、軽い足音が遠くから響き、彼は僅かに顔を上げた。
近寄ってくるその足音を暫く聞いて、不意に小さく笑う。
踊るようなその足音に、光る鉱石が役立っていることを告げていた。
明かりは、今から来る彼の為のものだから。
闇から這い出しても、周りは暗く、足元さえ見えない。
けれど、そんな事は彼には関係がなかった。
光を感じるはずの眼球は元より無い。
随分昔に負傷してから、眼球はなくしてしまったからだ。
踏み出した足が硬い岩の感触を伝える。
彼に明かりは必要なかったが、ある程度の広さを持つこの洞窟の隅には、暗闇で光る鉱石が点在していた。
危なげなく歩を進めると、いつも座っている岩棚に腰を下ろす。
居心地の良い状態にくり抜かれたその場所は、他より一段高く、けれど座れば前に立つ者と同じ目線になった。
何の物音もしない静寂が満ちた洞窟内で、微睡むように身体を横に倒す。
どのくらいそうしていたのか、軽い足音が遠くから響き、彼は僅かに顔を上げた。
近寄ってくるその足音を暫く聞いて、不意に小さく笑う。
踊るようなその足音に、光る鉱石が役立っていることを告げていた。
明かりは、今から来る彼の為のものだから。
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