何かいろいろ創作物を入れていこうと思います。広告変更してみた。
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いつもと同じ灰色の空を窓から眺めていると、少し遠くから声が聞こえた。
苛立つようなその声は聞き覚えのあるものだったので、なんとなく行ってみた。
「……だから違うって言ってんだろうが! さっきから何度同じこと言わせる! もう良い。後は俺がやるから、てめぇは中央塔見回って来い。――さっさと行け!」
盛大な足音が遠ざかっていく。
小さくののしり言葉を吐き捨てて振り返った彼と、目が合った。
表情はしかめ面のまま、彼が寄ってくる。
「何見てやがる。居るなら声ぐらいかけろ」
「あー、……何かあったの?」
視線をわずかに泳がせて問う。
「あのやろうが、書類ひとつ満足に届けられねぇんだよ。此処は何であんな役立たず使ってやがんだ。ったく腹立たしいにも程がある」
「……君は本当に口が悪いね……」
「あぁ? 上品な育てられ方してねぇからな。それに、口が悪かろうが良かろうが、仕事に影響ねぇだろ?」
「まぁそうだけど」
「むしろ上品なやつは仕事ができねぇくせに矜持だけはやたらと高ぇからめんどくせぇ」
はき捨てるように言う彼に、苦笑を漏らす。
「それでも君が面倒見良いって知ってるから、皆君のことが好きなんだよ」
言うと、何か変なものを飲み込んだような表情をして、ふいと視線をそらしてしまった。
「……知るか」
小声ではき捨てて廊下の向こうに早足で行ってしまう。
いつもと違う足運びと、赤く染まった耳に、声を殺して笑った。
苛立つようなその声は聞き覚えのあるものだったので、なんとなく行ってみた。
「……だから違うって言ってんだろうが! さっきから何度同じこと言わせる! もう良い。後は俺がやるから、てめぇは中央塔見回って来い。――さっさと行け!」
盛大な足音が遠ざかっていく。
小さくののしり言葉を吐き捨てて振り返った彼と、目が合った。
表情はしかめ面のまま、彼が寄ってくる。
「何見てやがる。居るなら声ぐらいかけろ」
「あー、……何かあったの?」
視線をわずかに泳がせて問う。
「あのやろうが、書類ひとつ満足に届けられねぇんだよ。此処は何であんな役立たず使ってやがんだ。ったく腹立たしいにも程がある」
「……君は本当に口が悪いね……」
「あぁ? 上品な育てられ方してねぇからな。それに、口が悪かろうが良かろうが、仕事に影響ねぇだろ?」
「まぁそうだけど」
「むしろ上品なやつは仕事ができねぇくせに矜持だけはやたらと高ぇからめんどくせぇ」
はき捨てるように言う彼に、苦笑を漏らす。
「それでも君が面倒見良いって知ってるから、皆君のことが好きなんだよ」
言うと、何か変なものを飲み込んだような表情をして、ふいと視線をそらしてしまった。
「……知るか」
小声ではき捨てて廊下の向こうに早足で行ってしまう。
いつもと違う足運びと、赤く染まった耳に、声を殺して笑った。
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