何かいろいろ創作物を入れていこうと思います。広告変更してみた。
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「ってなことで逃げてきたんだよォ」
「……それは賢明な判断だとは思うが、それで何故私のところに来る」
半身を水に漬け、水浴びをしていた彼は不思議そうに首を傾げた。
表情もほぼ無表情、動きも最小限なので注意して見ないと見落としてしまいそうだ。
水の苦手な氷雨は少し離れた枝の上から、下に向けて腕を振った。
「此処が安全かなァと思って」
「……」
無言で、彼は水の中に入れていた手をゆるく動かす。
わずかな水音をさせて、彼の動きに合わせて水が揺れる。
「……確かに鴉を食す習慣はないな」
「まァ白雨も天泣も、俺を食ったりしないって知ってるんだけどねェ」
くたり、と自身より細い枝の上にもたれかかる。
「周りの者はそうは思わないだろうな」
呟く声に、氷雨がため息をついた。
その途端、バランスを崩して湖の中に落ちてしまう。
「!」
銀箭はすぐに落ちた場所まで行くと、水から出ようともがく彼を救い上げた。
体格は同じくらいなので本気で暴れられると困る。
苦労して岸まで引っ張り上げると、氷雨はしばらく放心したように座り込んでいた。
「……俺、濡れるの嫌いなのにィ……」
水を滴らせながら情けなさそうに呟く氷雨を見て、銀箭は久しぶりに声を上げて笑った。
「……それは賢明な判断だとは思うが、それで何故私のところに来る」
半身を水に漬け、水浴びをしていた彼は不思議そうに首を傾げた。
表情もほぼ無表情、動きも最小限なので注意して見ないと見落としてしまいそうだ。
水の苦手な氷雨は少し離れた枝の上から、下に向けて腕を振った。
「此処が安全かなァと思って」
「……」
無言で、彼は水の中に入れていた手をゆるく動かす。
わずかな水音をさせて、彼の動きに合わせて水が揺れる。
「……確かに鴉を食す習慣はないな」
「まァ白雨も天泣も、俺を食ったりしないって知ってるんだけどねェ」
くたり、と自身より細い枝の上にもたれかかる。
「周りの者はそうは思わないだろうな」
呟く声に、氷雨がため息をついた。
その途端、バランスを崩して湖の中に落ちてしまう。
「!」
銀箭はすぐに落ちた場所まで行くと、水から出ようともがく彼を救い上げた。
体格は同じくらいなので本気で暴れられると困る。
苦労して岸まで引っ張り上げると、氷雨はしばらく放心したように座り込んでいた。
「……俺、濡れるの嫌いなのにィ……」
水を滴らせながら情けなさそうに呟く氷雨を見て、銀箭は久しぶりに声を上げて笑った。
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