忍者ブログ
何かいろいろ創作物を入れていこうと思います。広告変更してみた。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


 ゴッ、と鈍い音が響いて、重いものが倒れる音が続いた。
 アリアは長く息を吐くと、構えを解いて後ろを振り返った。
「もう良いわよ」
「すみません。有難うございます」
 申し訳なさそうに近づいてきたレーウィスが、アリアの足元に倒れているものに視線を送る。
「こんな大物は久しぶりですね」
「そうね」
 頷いて、同じように見下ろす。
 熊のような大きさの魔獣は、この大陸ではあまり見たことがない。
 それも、耐魔が強いものなど。
「今日はあたしも居て良かったわ。レーウィスだけじゃきっと時間かかってたし」
「そうですね。私も物理攻撃系の魔法を覚えるべきですかね……」
「物理攻撃ならあたしがいるから良いんじゃないの?」
 はぁ、とため息混じりに言うと、アリアはあっさりと言って笑った。
「でもそのかわり、魔法攻撃は頼りにしてるからね!」
 それに苦笑で返し、魔法を発動させる。
 この近くにまだ同じ魔獣がいるなら、排除しなければならない。
 ふ、とレーウィスが顔を上げる。
「あぁ、まだいますね」
「本当? 夕飯までに帰れるかしら」
「大丈夫ですよ。そんなに遠くないですから」
「じゃあ、さっさと終らせちゃいましょ」
 拳を振り上げてアリアが笑う。
 レーウィスは頷いて、倒れた魔獣を始末し、次の場所へ足を向けた。

「うぇ」
 眼の前の魔獣を見て、思わずといったようにオルカーンが呻く。
「どうした?」
 その声を聞きつけたルベアが、視線を向けずに問う。
「俺、あの種類苦手」
 ルベアが訝しげに眉根を寄せる。
 見た目は猫のような、しなやかな毛皮をまとった獣だ。
 大きさはオルカーンよりも小さい。
 動きが早いという以外は大したことのない敵のはずだが、何かあるのだろうか。
「何故?」
「だって、爪が鋭いだろ」
 一瞬剣を取り落としそうになった。
「……お前だって鋭いだろうが」
「いや、何て言うかな、あの大きさであの爪とか結構尖ってない?」
「大差ない」
「そうかなぁ」
「良いから片付けるぞ」
「はーい」
 ため息と共に返事をして、ルベアが飛び出すタイミングに合わせて、猫型の魔獣に飛びかかった。

 さらりとした髪を撫でる。
 薄い水色の髪は、冷たく掌から零れ落ち、昏々と眠るその人の額に落ちた。
 昏睡状態に陥ってから丸二日。
 そろそろ覚悟をした方が良いと、自身も青白い顔をして、金の目の魔法使いが言う。
「君も休みなよ。ずっと寝てないでしょ?」
 こつんと響いたノックの音と同時に、声が響く。
 扉に寄りかかったその姿は酷く頼りない。
 いつもは鮮やかな金の目をわずかに暗く曇らせながら、ゆったりとした足取りで近づいてくる。
「……お前こそ、ひどい顔色だぞ」
 顔を顰めて言うと、ふ、と笑われた。
「僕は大丈夫。それより、君が倒れたら元も子もないよ」
「……分かってる」
 はぁ、とため息を付いて立ち上がる。
 少し視界が歪んだが、問題はない。
「起きたら知らせるよ」
「頼む」
 目線で念を押して、退室する。
 途端、部屋の中から魔法の気配が広がった。
 回復用の、魔法。
 少しでも死を遠ざけられるように。
「……」
 何もできないことにもどかしさを感じながら、彼はその場から遠ざかっていった。


…最近本当アイコン用しか描いてない気がする…。
しかしまた4月に向けて修羅場になりそうなので更新…orz

ついったーの交流企画に参加させて頂いてるキャラです。
しかし流れになかなかついていけてない…
やべぇ交流ナメてた…ぜ…(ばたり


眼鏡第二弾。
途中までセルフレームをちゃんと認識していなかったなんてそんな馬鹿な。

[4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14
«  Back :   HOME   : Next  »
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
プロフィール
HN:
沖縞 御津 または 逆凪。
趣味:
絵描き文書き睡眠。
自己紹介:
のんびり人生万歳。
1日20時間ほど寝れるんじゃないかと最近本気で思う。
でもこの頃睡眠時間が1~6時間と不規則気味。ていうか足りない。
最新記事
創作絵  (01/05)
創作文_異界  (05/04)
創作文  (04/20)
創作絵  (05/24)
創作文_神界  (02/23)
広告
PR

Copyright(C)2009-2012 Mitsu Okishima.All right reserved.
忍者ブログ [PR]