何かいろいろ創作物を入れていこうと思います。広告変更してみた。
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さらりとした髪を撫でる。
薄い水色の髪は、冷たく掌から零れ落ち、昏々と眠るその人の額に落ちた。
昏睡状態に陥ってから丸二日。
そろそろ覚悟をした方が良いと、自身も青白い顔をして、金の目の魔法使いが言う。
「君も休みなよ。ずっと寝てないでしょ?」
こつんと響いたノックの音と同時に、声が響く。
扉に寄りかかったその姿は酷く頼りない。
いつもは鮮やかな金の目をわずかに暗く曇らせながら、ゆったりとした足取りで近づいてくる。
「……お前こそ、ひどい顔色だぞ」
顔を顰めて言うと、ふ、と笑われた。
「僕は大丈夫。それより、君が倒れたら元も子もないよ」
「……分かってる」
はぁ、とため息を付いて立ち上がる。
少し視界が歪んだが、問題はない。
「起きたら知らせるよ」
「頼む」
目線で念を押して、退室する。
途端、部屋の中から魔法の気配が広がった。
回復用の、魔法。
少しでも死を遠ざけられるように。
「……」
何もできないことにもどかしさを感じながら、彼はその場から遠ざかっていった。
薄い水色の髪は、冷たく掌から零れ落ち、昏々と眠るその人の額に落ちた。
昏睡状態に陥ってから丸二日。
そろそろ覚悟をした方が良いと、自身も青白い顔をして、金の目の魔法使いが言う。
「君も休みなよ。ずっと寝てないでしょ?」
こつんと響いたノックの音と同時に、声が響く。
扉に寄りかかったその姿は酷く頼りない。
いつもは鮮やかな金の目をわずかに暗く曇らせながら、ゆったりとした足取りで近づいてくる。
「……お前こそ、ひどい顔色だぞ」
顔を顰めて言うと、ふ、と笑われた。
「僕は大丈夫。それより、君が倒れたら元も子もないよ」
「……分かってる」
はぁ、とため息を付いて立ち上がる。
少し視界が歪んだが、問題はない。
「起きたら知らせるよ」
「頼む」
目線で念を押して、退室する。
途端、部屋の中から魔法の気配が広がった。
回復用の、魔法。
少しでも死を遠ざけられるように。
「……」
何もできないことにもどかしさを感じながら、彼はその場から遠ざかっていった。
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