何かいろいろ創作物を入れていこうと思います。広告変更してみた。
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目の前に刃が迫っていた。
疲労と怪我で身体は酷く重い。
避けきることはできない。
急所を外せば怪我で済むだろう。
けれどこの疲れきった身体で、その次の攻撃を避ける自信はない。
耳慣れた声が叫び声を上げていた。
その声に反応するように、左腕が刃を防ごうと持ち上がる。
防げは、しなかった。
よほど切れ味が良いのか、左腕はほぼ両断され、その勢いのまま刃の先端は心臓を貫いた。
引き抜かれた衝撃であふれ出す血液が、視界をも赤く染める。
急激に失われる血液に、意識が闇に落とされていく。
床に倒れた衝撃は殆ど分からなかった。
掠れた視界に金色の光が映る。
――ごめん。俺は、此処までだ。
意識の隅で謝って、彼の意識は闇に溶けた。
動くものの誰もいなくなった空間で、彼は荒い息を吐いて立っていた。
『敵』は、もういない。
自分は間に合わなかった。
目の前の彼は、左腕を失い、血に塗れた姿で横たわっていた。
銀色の長い髪は血に染まり、虚ろに開いた金色の瞳に光は無い。
先に死ぬんだと分かっていた。
だからといって、何も感じないわけはない。
崩れるようにその場に膝を突く。 そっと、まぶたを閉じさせる。
その上に、透明な水滴が落ちた。
とめどなく涙を流しながら、彼はしばらくの間じっと蹲っていた。
疲労と怪我で身体は酷く重い。
避けきることはできない。
急所を外せば怪我で済むだろう。
けれどこの疲れきった身体で、その次の攻撃を避ける自信はない。
耳慣れた声が叫び声を上げていた。
その声に反応するように、左腕が刃を防ごうと持ち上がる。
防げは、しなかった。
よほど切れ味が良いのか、左腕はほぼ両断され、その勢いのまま刃の先端は心臓を貫いた。
引き抜かれた衝撃であふれ出す血液が、視界をも赤く染める。
急激に失われる血液に、意識が闇に落とされていく。
床に倒れた衝撃は殆ど分からなかった。
掠れた視界に金色の光が映る。
――ごめん。俺は、此処までだ。
意識の隅で謝って、彼の意識は闇に溶けた。
動くものの誰もいなくなった空間で、彼は荒い息を吐いて立っていた。
『敵』は、もういない。
自分は間に合わなかった。
目の前の彼は、左腕を失い、血に塗れた姿で横たわっていた。
銀色の長い髪は血に染まり、虚ろに開いた金色の瞳に光は無い。
先に死ぬんだと分かっていた。
だからといって、何も感じないわけはない。
崩れるようにその場に膝を突く。 そっと、まぶたを閉じさせる。
その上に、透明な水滴が落ちた。
とめどなく涙を流しながら、彼はしばらくの間じっと蹲っていた。
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