何かいろいろ創作物を入れていこうと思います。広告変更してみた。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「あー、暇だー」
ごろりと机に突っ伏す青緑の頭を見て、深々とため息をつく。
「そんなに暇なら棚の整理でもしてくれ」
「やだ。つまんない」
「私より年上の癖に子供じみたことを言うな」
「生まれたのはディリクのほうが先だよ」
「この世界では、だろう」
「まぁそうだけど」
否定せずにぼんやりと壁を見る。
目的があったわけではなく、ただその方向に壁しかなかっただけだ。
何の変哲も無い壁を見ていてもさらに面白くないので、視線を反対側に向ける。
蝋燭の炎の下で、めったにかけない眼鏡姿のディリクが何かをいじっていた。
「何それ」
問うと、彼は作業の手を止めて怪訝そうにこちらを見た。
「……何って、お前が持ち込んだんだろう」
「あー、そういえばそうだっけ」
「お前な……」
脱力したようにディリクがつぶやく。
「ごめんごめん。直りそう?」
「あぁ」
ぱちりと音を立てて蓋を閉じる。
そのまま、軽く投げてきた。
「ほら」
「わぁ。すごい動いてる」
それは、懐中時計だった。
カチカチ、と一定のリズムで秒針が動く。
「よく直せたね」
素人ではむしろ壊しやすいものだったはずだ。
それ以前に、彼は時計を見たこともなかっただろうに。
「何かが外れているような音がしたからな。そこをいじっただけだ」
使用した道具を仕舞い、片手に眼鏡を持ったまま目頭を押さえている。
「大事なものなのか」
しばらくして、ルシェイドの方を見ないまま、彼が口を開いた。
ルシェイドは時計を弄びながら、静かに頷いた。
「……形見みたいなものだね」
「そうか」
ディリクはそれだけ言って、後は黙って眼鏡を仕舞った。
ごろりと机に突っ伏す青緑の頭を見て、深々とため息をつく。
「そんなに暇なら棚の整理でもしてくれ」
「やだ。つまんない」
「私より年上の癖に子供じみたことを言うな」
「生まれたのはディリクのほうが先だよ」
「この世界では、だろう」
「まぁそうだけど」
否定せずにぼんやりと壁を見る。
目的があったわけではなく、ただその方向に壁しかなかっただけだ。
何の変哲も無い壁を見ていてもさらに面白くないので、視線を反対側に向ける。
蝋燭の炎の下で、めったにかけない眼鏡姿のディリクが何かをいじっていた。
「何それ」
問うと、彼は作業の手を止めて怪訝そうにこちらを見た。
「……何って、お前が持ち込んだんだろう」
「あー、そういえばそうだっけ」
「お前な……」
脱力したようにディリクがつぶやく。
「ごめんごめん。直りそう?」
「あぁ」
ぱちりと音を立てて蓋を閉じる。
そのまま、軽く投げてきた。
「ほら」
「わぁ。すごい動いてる」
それは、懐中時計だった。
カチカチ、と一定のリズムで秒針が動く。
「よく直せたね」
素人ではむしろ壊しやすいものだったはずだ。
それ以前に、彼は時計を見たこともなかっただろうに。
「何かが外れているような音がしたからな。そこをいじっただけだ」
使用した道具を仕舞い、片手に眼鏡を持ったまま目頭を押さえている。
「大事なものなのか」
しばらくして、ルシェイドの方を見ないまま、彼が口を開いた。
ルシェイドは時計を弄びながら、静かに頷いた。
「……形見みたいなものだね」
「そうか」
ディリクはそれだけ言って、後は黙って眼鏡を仕舞った。
Comment