何かいろいろ創作物を入れていこうと思います。広告変更してみた。
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「アタシと結婚してくれませんか」
特に何の変哲も無い、いつもの日常はそんな一言で破られた。
踏青も薄氷も島を出て数ヶ月、ようやく残った者も落ち着いてきたところだった。
「私らが居るのを忘れてないか?」
いつものように厳しい声で、けれど少し呆れた色も混ぜて、冬杣が声を掛ける。
「忘れちゃいませんヨ。でも、言うなら今がいいかと思いまして」
にこりと、糸目の彼が笑う。
肩をすくめて冬杣がこちらを振り返る。
「……東旭、固まってないで何とかしな」
「うぇっ!?」
あまりにも驚きすぎて変な声が出てしまった。
いつもいつも頭領なのに子ども扱いされて怒ったりはしたけど、こんなのは初めてだ。
何かするにもどう反応して良いかわからない。
困ったように目じりを下げて、事の元凶である酒星が東旭の頭を撫でた。
「まァ、返事は急ぎませんヨ。のんびり待ちますから、考えて置いてください」
笑顔のまま、それじゃあ、と片手を上げて酒星はくるりと背を向けて浜の方に歩いて行ってしまった。
残された彼らは作業の手を止め、歩み去る酒星と東旭を交互に見ている。
「ど」
固まっていた東旭は勢い良く冬杣へと振り返った。
「どうしよう!?」
「知らん」
半眼で一蹴された。
「そんなこと言わずに!」
食い下がると、嫌そうな顔をして顎をしゃくった。
「そういうのは当事者の問題だ。私が口を出すのは筋違いってもんだよ」
「だってあたしあんなこと言われたことないよー!」
パニックになって頭を抱える東旭を、周りの者は温かい目で見守っていた。
特に何の変哲も無い、いつもの日常はそんな一言で破られた。
踏青も薄氷も島を出て数ヶ月、ようやく残った者も落ち着いてきたところだった。
「私らが居るのを忘れてないか?」
いつものように厳しい声で、けれど少し呆れた色も混ぜて、冬杣が声を掛ける。
「忘れちゃいませんヨ。でも、言うなら今がいいかと思いまして」
にこりと、糸目の彼が笑う。
肩をすくめて冬杣がこちらを振り返る。
「……東旭、固まってないで何とかしな」
「うぇっ!?」
あまりにも驚きすぎて変な声が出てしまった。
いつもいつも頭領なのに子ども扱いされて怒ったりはしたけど、こんなのは初めてだ。
何かするにもどう反応して良いかわからない。
困ったように目じりを下げて、事の元凶である酒星が東旭の頭を撫でた。
「まァ、返事は急ぎませんヨ。のんびり待ちますから、考えて置いてください」
笑顔のまま、それじゃあ、と片手を上げて酒星はくるりと背を向けて浜の方に歩いて行ってしまった。
残された彼らは作業の手を止め、歩み去る酒星と東旭を交互に見ている。
「ど」
固まっていた東旭は勢い良く冬杣へと振り返った。
「どうしよう!?」
「知らん」
半眼で一蹴された。
「そんなこと言わずに!」
食い下がると、嫌そうな顔をして顎をしゃくった。
「そういうのは当事者の問題だ。私が口を出すのは筋違いってもんだよ」
「だってあたしあんなこと言われたことないよー!」
パニックになって頭を抱える東旭を、周りの者は温かい目で見守っていた。
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